老人ホームに入居するときの持ち物とは?必要になるものを紹介
長期間を目的とした老人ホームへの入居では、最低限必要な持ち物のほか、準備しておくと便利な持ち物があります。必要な持ち物は基本的に施設側から説明されるか、渡された書類に記載されていますが、持って行くべきか判断がつかない物や、どの程度の量を準備すればよいか分からない物もあるでしょう。
当記事では、老人ホームの入居準備で用意すべき持ち物や、入居時に持っていってよかったと言われる持ち物の例などを紹介します。老人ホームへの入居を考えている方や、家族が入居予定の方はぜひご覧ください。
1. 老人ホームの入居準備で用意すべき持ち物
老人ホームなどの介護施設での生活を快適かつスムーズに始めるためには、入居の際に必要となる持ち物を適切に準備することが大切です。老人ホームの入居準備で用意すべき持ち物には、主に次のようなものがあります。
【老人ホームに入居する際に用意すべき持ち物リスト(例)】
- 衣類
- 肌着
- 履物・スリッパ(室内用・屋外用)
- ベッドシーツなどのリネン類
- タオル
- 洗面用具(石けん・ひげそり・スキンケア用品・くし・手鏡など)
- 衛生用品(歯ブラシ・コップ・爪切り・耳かきなど)
- 入浴時に必要なもの(シャンプー・リンス・ボディソープなど)
- 食事に必要なもの(箸やスプーン・フォーク、使いやすい食器、食事エプロンなど)
- 消耗品(トイレットペーパー・ティッシュ・オムツなど)
- 保険証類(介護保険証や障害者手帳など)
- かかりつけ医の診察券
- お薬手帳・常備薬
- 筆記用具
これらの他にも、カレンダーや置き時計など日時が分かるものや、入れ歯(義歯)のケース・ケア用品など身体状態に応じて必要なものを持参するようにしましょう。他の入居者の持ち物と混ざらないよう、持ち物には名前を書いておくことも大切です。
1-1. 持って行く衣服の内訳
老人ホームに入居する際、どのような服を何着程度持って行けばよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。自分での着替えが難しい方は、施設から衣服の種類を指定される場合もありますが、基本的には入居する本人が好きな普段着を用意するとよいでしょう。
また、老人ホームでは入浴時や希望するタイミングで洗濯してもらえるので、着替えとなる衣類は大量に持ち込む必要はありません。ここでは、老人ホームに持って行くとよい衣類の種類や枚数について確認しましょう。
【老人ホームに持って行くとよい衣類の内訳】
衣類の種類 | 季節ごとの枚数 |
---|---|
普段着(日中に着用するもの) | 上下各5~6枚 |
パジャマ(就寝時に着用する衣類) | 上下各3~4枚 |
肌着(下着) | 上下各5~6枚 |
靴下 | 5~6足 |
外出用の上着(冬・厚手のもの) | 1枚 |
室内用の上着・羽織もの | 1~2枚 |
おしゃれ着 | 上下1セット |
普段着や肌着、靴下などは汚れやすいため、洗濯のことを考慮して多めに用意しておくと安心です。外出レクリエーションの機会に着用できるよう、おしゃれ着(お出かけ用の洋服など)も持って行くとよいでしょう。
1-2. 入居までに用意しておくべき書類
老人ホームに入居する際は、さまざまな書類が必要となります。入居予定の施設に確認した上で、次のような各種書類を契約時や入居時までに準備しておきましょう。
【入居までに用意しておくべき書類など】
- 診療情報提供書(医師からの紹介状)
- 健康診断書
- 入居契約書
- 戸籍謄本
- 住民票
- 介護保険被保険者証
- 印鑑証明書
- 実印
入居までに用意する書類の中には、依頼から完成までに時間を要するものもあります。健康診断書のように有効期限が定められている書類もあるため、計画的に準備するようにしましょう。
2. 入居時に持っていってよかったと言われる持ち物の例
老人ホームへの入居時には、衣類や洗面用具など毎日の生活に必要な持ち物の他に、入居する方のライフスタイルや趣味、心身の状態に合った持ち物を持って行くとよいでしょう。必須の持ち物ではなく、必要性の高さには個人差もありますが、人によってはあったほうがよい持ち物には次のようなものがあります。
【持っていってよかったと感じることが多い持ち物(例)】
- 使い慣れた家具
- 趣味・娯楽品
- 家電
- クッション
ここでは、上記4つの持ち物の概要や、入居時に持ち込むメリットについて解説します。
2-1. 使い慣れた家具
入居者が1人で生活できる個室があるタイプの老人ホームの場合、衣類を収納するタンスやケースなどの家具の持ち込みを認めている施設が多く見られます。入居を機に新品を購入することも1つの方法ですが、入居する方が使い慣れた家具を持ち込むこともおすすめです。
老人ホームに入居するということは、住み慣れた自宅から引っ越して新しい生活を送るということであるため、入居する方にとって大きな負担になります。入居とともに使い慣れた家具を持ち込めば環境の変化を少しでも減らせるため、環境の変化による心身への負担や不安を和らげることができるでしょう。
ただし、持ち込める家具の種類・サイズは施設によって異なることに注意が必要です。生活するスペースを圧迫するほど大きな家具や、倒れやすいなど安全面でリスクの高い家具は設置できない場合もあるため、施設側に事前に確認しておきましょう。
2-2. 趣味・娯楽品
老人ホームではスタッフによるレクリエーションはあるものの、自宅での生活と比べると娯楽が少ないと感じる方も少なくありません。自由な時間をその人らしく有意義に過ごすためにも、入居する方が余暇活動で取り組めるものを持って行くことをおすすめします。持ち込めるかどうか施設側に確認した上で、準備しておきましょう。
【老人ホームに持ち込める趣味のもの・娯楽品(例)】
- 本や雑誌
- 大人用の塗り絵
- 脳トレ本やパズル本
- 手芸用品(編み物など)
- ゲーム機
- 囲碁セットや将棋セット
- 好きな芸能人のポスターやCDなど
2-3. 家電
施設の方針や入居する方の心身の状態にもよりますが、居室への家電の持ち込みを認めている施設は多数存在します。持ち込める家電の種類は施設によって異なりますが、電気ケトルや加湿器、ラジオなど、小型で火事やケガの危険性が低いものであれば、基本的には認めてもらえるでしょう。
ただし、テレビの持ち込みは施設によって考え方が異なるため注意が必要です。居室に引きこもってしまうことを懸念している施設も多いため、テレビの持ち込みを検討している場合は、施設側に必ず確認しておきましょう。
2-4. クッション
老人ホームでは、ベッドや車椅子で長時間過ごしたり、座っている時間が長かったりする場合も少なくありません。腰痛や足のむくみ、床ずれ(褥瘡)などのトラブルを予防するためにも、クッションや座布団などを持って行くとよいでしょう。
ただし、老人ホームの居室は広さが限られているため、大きすぎるクッションはかえって使い勝手が悪い場合もあることに注意が必要です。手軽なサイズのものや、使い慣れたサイズのものを準備しましょう。
3. 老人ホームに持ち込んではいけない・失敗につながりやすいもの
老人ホームは、高齢者が集団で生活を営む施設です。入居者が安心して安全な生活を送れるようにするために、施設側が持ち込みを禁止している物品もあることに注意してください。
以下は、老人ホームに持ち込んではいけないものの例です。
【老人ホームに持ち込んではいけないもの】
- 包丁やナイフなどの刃物類
- ライターやマッチなどの火気器具、ろうそく、タバコなど
- 電子レンジなど発火するリスクがある家電
- 宝飾品や高級腕時計などの貴重品
なお、仏壇の持ち込みが認められている施設でも、火を使うろうそくや線香は使用できません。施設と相談した上で、LEDタイプのろうそくを使用するなどの工夫を検討しましょう。
また、パソコンやテレビは持ち込みが可能な場合も少なくありませんが、「Wi-Fi環境がない」「騒音トラブルに発展した」など失敗につながるケースもあります。施設側に環境や使用の際のルールについて十分に確認し、失敗やトラブルに発展しないよう注意しましょう。
まとめ
老人ホームの入居準備で用意すべき持ち物には、衣類や肌着、履物、スリッパなど複数挙げられます。普段着や肌着、靴下などの汚れやすいものは、洗濯することを考えて多めに用意しておくと安心です。そのほか、医師からの紹介状や健康診断書といった重要書類も忘れずに準備しましょう。
入居時に持っていってよかったと言われる持ち物には、使い慣れた家具や趣味・娯楽品、クッションなどがあります。衣類や洗面用具といった日々の生活に必要な持ち物以外にも、ライフスタイルや趣味、心身の状態に合わせた持ち物を準備するのもおすすめです。