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グループホームの費用が払えないとどうなる?対処法や公的制度を紹介

グループホームの費用が払えないとどうなる?対処法や公的制度を紹介

グループホームとは、主に認知症を患っている方が、少人数で自立した生活を送るための施設です。老人ホームの中では比較的費用負担が小さいものの、主に民間の団体が運営している施設のため、月額費用は施設ごとに異なります。物価の上昇などが原因で居住費や生活費などが引き上げられた場合、今後同じグループホームで暮らしていけるのか不安に感じるかたもいるでしょう。

この記事ではグループホームの費用が払えない場合の対処法や、費用が払えなくなったときに頼れる公的制度、転居に向いた月額費用が安い施設を紹介します。

1. グループホームの費用が払えない場合はどうなる?

グループホームの費用が払えない場合でも、即座に追い出されることはありません。ただし、一定期間以上支払いが滞る場合は問題です。

まず、入居者本人が支払いできない場合、入居時に指定した身元引受人や連帯保証人に支払いの請求が行われます。この段階で支払いができれば、大きな問題は生じません。

しかしながら、それでも支払いが難しい状態が続くと、一定の猶予期間後に強制退去となります。猶予期間は施設によって異なるものの、おおよそ1~6か月の契約が一般的です。猶予期間の情報は、契約時に交わされる重要事項説明書に明記されています。

入居中に手持ちが心もとなくなったときは、猶予期間中に支払い費用を工面するか、ほかの施設へ移動するかを早急に決めなければなりません。

2. グループホームの費用が払えない場合の対処法

グループホーム利用者が自力で費用が支払えず、また身元引受人や連帯保証人も対応できない場合、強制退去となる前に適切に対処しなければなりません。

主な対処法は、以下の6つです。自分にもっとも負担が少なく最適な手段を探しましょう。

2-1. 施設のスタッフやケアマネジャーに相談する

グループホーム費用の支払いに不安が生じた場合、まずは施設のスタッフやケアマネジャーに現状を伝え、相談することが大切です。施設のスタッフやケアマネジャーは、専門家としてさまざまなケースに応じた対策方法を知っています。そのため、個々の状況を鑑みて、適切なサポートや具体的な提案が期待できるでしょう。

例えば、支払いの延期や分割、部屋のタイプを変更することでの費用削減といったアドバイスが可能です。また、条件に合った低額の施設の紹介、利用可能な社会福祉サービスなどを紹介してくれることもあります。

支払いが不可能になってから動くと使える時間や取れる手段が限られる場合もあるため、早めの相談が大切です。不安や疑問を抱えたままにせず、専門家と協力して問題に取り組むのが最善の策と言えるでしょう。

2-2. 補助制度を活用する

費用の支払いが難しくなったとき、各種補助制度の活用によりグループホームの費用負担を軽減できる場合があります。国や各自治体では、介護施設利用者やその家族の経済的な負担をサポートするための、さまざまな補助制度を提供しています。

代表的なのは、生活保護や高額介護サービス費、医療費控除などです。また、自治体によっては、独自の補助制度を設けているところも少なくありません。利用可能な制度を知り、適切に活用すれば、費用の支払いを円滑にするためのサポートや、費用そのものの軽減が期待できます

2-3. マイホーム借り上げ制度を利用する

もしまだ住宅を売却していないのであれば、マイホーム借り上げ制度を利用して、所有権を保持したままで確実な家賃収入を得られます。マイホーム借り上げ制度とは、高齢者が所有するマイホームを公的機関が借り上げ、一定の賃料収入を保証する制度です。

マイホーム借り上げ制度では通常の賃貸物件と異なり、1人目の入居者が決まった後であれば、空室が発生しても家賃収入は保証されます。そのため、比較的安定した収入を期待できるでしょう。ただし、この制度を利用すると、市場の相場よりも家賃が低く設定される点に注意が必要です。また、建物の調査が行われて耐震補強やリフォームが必要と判定される場合、追加の費用が発生する可能性も考慮しなければなりません。

2-4. 不動産担保型貸付やリバースモーゲージで資金を借りる

住宅をまだ売却していない方は、不動産担保型貸付やリバースモーゲージを活用して資金を借りる方法も考えられます。

不動産担保型生活資金貸付制度とは、所有する自宅を担保に生活資金を借り入れられる公的な融資制度です。生活に困難を感じている高齢者に対し、福祉的な観点から低利での貸しつけを目的とする制度です。評価額の70%まで、かつ月30万円以内を上限として資金を借りられます。

リバースモーゲージも似たような仕組みで、自宅を担保にして金融機関から融資を受ける制度です。この制度を利用することで、住み慣れた自宅に住み続けながら、介護費用などの生活資金を得ることができます。借りた分は、亡くなった後に自宅を売却して返済金に充てるケースが一般的です。

いずれも対象者となる条件や注意すべき点があるため、利用を検討する場合は事前に専門家や関連機関に相談するとよいでしょう。

2-5. 世帯分離手続きをする

世帯分離は、1つの世帯を複数の世帯に分ける手続きです。所得が少ない高齢者の場合、介護費用の自己負担割合が軽減される可能性があります。特に、高額介護サービス費制度や国民健康保険料など、世帯収入に基づいて計算される費用の軽減が期待できるでしょう。

ただし、国民健康保険料は世帯ごとに世帯主が支払うシステムです。世帯を分離したことで2世帯分の支払いが必要となり、合計額が増える場合もあります。さらに、扶養内だった家族が扶養から外れると、勤務先の手当や保険組合のサービスが受けられなくなる可能性がある点にも注意が必要です。

そのため、世帯分離を検討する際には、その後の経済的な変動や制度の適用範囲など、多くの要因を総合的に考慮した判断が必要です。十分に情報を収集し、専門家に相談した上で決めるとよいでしょう。

2-6. より低価格の老人ホームに移る

グループホームの利用料金が払えない場合、負担費用を軽減する方法として、より低価格の老人ホームへの転居も検討しましょう。介護施設費用は、立地条件や居室タイプ、食事の内容などの要因によって変動します。個室やユニット型の部屋はプライバシーが守られる反面、費用が高くなるのが一般的です。

部屋が多床式の施設や立地が悪い施設、築年数が経った施設などは、相対的に費用が安くなる傾向にあります。公的施設も低価格での利用が可能なものの、人気が高く待機期間が発生する場合もあるため、転居のタイミングや手続きには注意が必要です。

施設を選び直す際は、自身の資産状況や希望するサービス内容を総合的に考慮し、慎重に探すことが大切です。施設のスタッフやケアマネジャーなどの意見も参考にするとよいでしょう。

3. グループホームの費用が支払えないときに使える公的制度

グループホームの費用を自力で払い切れない場合にも、介護施設の利用を諦める必要はありません。国が用意している公的制度を上手に活用すれば、介護費用の支払い負担を大きく減らすことが可能です。

ここでは、グループホームの費用が支払えないときに使える公的制度を、6つ紹介します。

3-1.生活保護

老人ホームの費用が払えなくなったとき、生活保護の受給は有力な選択肢の1つです。生活保護は、困窮した生活をしている方に対する国の援助制度であり、最低限の生活をするための費用が提供されます。

多くの施設は、生活保護受給者を対象とした料金プランを用意しており、空きがあれば個室への入居も可能です。生活保護を利用すると、介護にかかる費用も「介護扶助」としてカバーされるため、自己負担は必要ありません。

介護扶助は要介護度に応じて制限があるものの、多くがサービスの対象となります。しかし、介護保険適用外のサービスを受ける場合は自腹です。家賃や生活費用は住宅扶助や生活扶助として支給され、施設への支払いに使用できます。

3-2. 高額介護サービス費

高額介護サービス費は、月々の介護サービス費の利用者負担額が上限額を超えた場合、超過分を補填する制度です。この制度の目的は、介護利用者の経済的負担を軽減することです。

自分自身で申し込むのではなく、制度の対象となったときに自治体から「高額介護(介護予防)サービス費支給申請書」が送られてきます。申請書を記入し提出すると、以降は毎月自動的に超過分が返金される仕組みです。ただし、この制度での補填は、介護保険適用のサービスにのみ適用され、食費や雑費などの他の自己負担は対象外となります。

自己負担となる介護サービス利用料は、所得によって以下のように決まっています。

区分 負担の上限額(月額)
課税所得690万円(年収約1,160万円)以上 14万100円(世帯)
課税所得380万(年収約770万)~690万円(年収約1,160万円)未満 9万3,000円(世帯)
市町村民税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満 4万4,400円(世帯)
世帯全員が市区町村民税非課税 2万4,600円(世帯)
前年の公的年金等収入金額+その他の合計所得金額の合計が80万円以下の方等 2万4,600円(世帯)
1万5,000円(世帯)
生活保護を受給している方等 1万5,000円(世帯)

引用:厚生労働省「高額介護サービス費の負担限度額が見直されます」/引用日2023/10/12

3-3. 高額介護合算療養費制度

高額介護合算療養費制度は、医療保険と介護保険の自己負担額が一定の基準を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。合算できる期間は、毎年8月1日から翌年7月31日までとなります。

対象となる条件は以下の2つです。

  • 同世帯内で、国民保険・被用者保険・後期高齢者医療保険を利用している
  • 期間内で、医療保険と介護保険の合算額が所定の限度額を超えた

制度の対象になると自治体から申請書が送られてくるため、必要事項を記入し窓口または郵送で提出しましょう。

なお、高額介護合算療養費制度では食費や居住費、保険診療外費用は払い戻されません。自己負担限度額は所得や年齢、医療保険の種類によって以下のように変わります。

【限度額】

  75歳以上 70~74歳 70歳未満
  介護保険+後期高齢者医療 介護保険+被用者保険または国民健康保険
年収約1,160万円~ 212万円 212万円 212万円
年収約770~約1,160万円 141万円 141万円 141万円
年収約370~約770万円 67万円 67万円 67万円
~年収約370万円 56万円 56万円 60万円
市町村民税世帯非課税等 31万円 31万円 34万円
市町村民税世帯非課税
(年金収入80万円以下等)
19万円(注) 19万円(注)

(注)介護サービス利用者が世帯内に複数いる場合は31万円。

引用:内閣府「高額介護合算療養費制度 概要」/引用日2023/10/13

3-4. 医療費控除

医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日まで)の医療費が一定額を超えた場合、超過分が所得から控除される制度です。控除を受ける場合には、確定申告が必要となります。

控除対象となる医療費は、自分や配偶者、親族が支払った費用です。計算式は、「実際に支払った医療費合計-保険金で補填される金額-10万円」となります。ただし、総所得金額が200万円未満の場合は、10万円の代わりに「総所得金額の5%」で計算します。高額な医療費がかかった場合には、有効に活用しましょう。

医療費だけでなく、介護保険サービス費の自己負担分や、特定の施設でのサービス費も一部が医療費控除の対象です。

3-5. 各自治体独自の補助制度

各自治体が高齢者やその家族を支援するために用意している補助制度は、多種多様です。介護サービス費用の助成制度はもちろん、日常生活を便利にするためのさまざまな制度があります。高齢者自身だけでなく、介護方法の講習会といった家族に対する支援も珍しくありません。

【補助制度の例】

  • 緊急通報システム
  • GPSのレンタル
  • 介護用品の支給
  • 住宅修繕
  • 外出支援
  • 宅食サービス
  • 介護予防教室
  • 生活支援
  • 訪問理美容

自治体によって提供するサービスや利用条件、自己負担額が異なります。補助制度の詳細や申請方法は、自治体の窓口や担当のケアマネジャーに問い合わせるとよいでしょう。

3-6. 生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、都道府県社会福祉協議会が運営する、低所得者や高齢者、障害者のための貸付制度です。市町村の社会福祉協議会が申込窓口で、融資も都道府県の協議会が行います。低所得者世帯、障害者世帯、および65歳以上の高齢者世帯が対象です。

貸付の種類は、総合支援資金・福祉資金・教育支援資金・不動産担保型生活資金などがあります。介護サービスの利用経費やその期間中の生計維持経費は、福祉費の対象です。

基本的に連帯保証人が必要なものの、連帯保証人なしでも借りられます。連帯保証人がいる場合は無利子、いない場合の金利は年1.5%です。借金ではありますが、あくまでも自立支援を目的とした国主導の制度となっています。

4. グループホームからの転居に向く費用の安い施設

費用の支払いが厳しくなったことで安価な施設に転居する場合は、認知症の方を受け入れている公的施設も候補に入れるとよいでしょう。

グループホームからの転居に向く費用の安い施設と、費用相場について解説します。

4-1. ケアハウス

ケアハウスは、自宅での生活が困難な60歳以上の方を対象とした施設です。一般型と介護型の2種類があり、一般型は家事などの生活支援サービス、介護型では生活支援に加えて介護サービスも提供されます。低所得者は国や自治体から補助を受けられ、無理のない範囲で利用が可能です。

ケアハウスの費用相場は下表の通りです。

【費用相場】

  一般型 介護型
初期費用 0~30万円程度 数十~数百万円程度
月額費用 6~12万円程度 9~15万円
月額費用の内訳
  • 日常生活費
  • 日常生活費
  • 介護保険負担額:1~2万円※
  • サービス加算:数千円※

(※1割負担の場合)

初期費用として一般型は「保証金」、介護型は「入居一時金」が必要となります。月額費用は、介護サービスの利用負担額に生活費(居住費・食費・水道光熱費)が含まれ、一般型より介護型が高額になるケースが一般的です。施設や所得によって費用は変動しますが、多くの場合公的支援制度が利用できます。

4-2. 特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、原則として要介護3以上の認定を受けた高齢者を対象にした施設です。ただし、認知症で日常生活に支障を来すような症状・行動が見られるなど、やむを得ない事情があれば要介護1〜2でも入所できます。公的な介護施設であり、費用は民間施設よりも安価です。

近年、施設形態も進化しており、ユニット型の施設でも手厚い介護が受けられます。ただし、入所の順番は要介護度や家族状況により決まるため、希望してもすぐには入所できないケースが少なくありません。

特別養護老人ホームの費用相場は下表の通りです。

【費用相場】

入所一時金 0円
月額費用 5万~20万円程度

料金は要介護度や施設の設備によって変動します。費用は保険給付の対象となり、自己負担額は所得に応じて1~3割程度です。その他に居住費・食費・日常生活費が別途必要となります。

4-3. 介護医療院

介護医療院は要介護認定された方を対象に、医療と介護の両方を提供する施設です。特に医療ケアが必要な高齢者に対応が可能で、医師や看護師が常駐しています。2018年に設立され、I型とII型という2つの形態に分かれます。I型は重篤な疾患を有する方、II型は比較的安定した状態の方が対象です。地域社会との交流も意識しており、長期的な入所や看取りも可能です。

ただし、伝染病にかかっている場合や長期入院が必要な場合は入所できないこともあります。また、完全個室ではなくパーティションで区切られるケースも多いため、プライバシーを重視する方は確認が必要です。

介護医療院の費用相場は下表の通りとなります。

【費用相場】

入居一時金 0円
月額費用 0~20万円程度

入居一時金は不要で、月額費用も所得に応じて変動し、介護保険の対象にもなるため必要な費用は比較的安価です。

4-4. 養護老人ホーム

養護老人ホームは、主に65歳以上で身体的・精神的・経済的理由により、自宅での生活が難しい方が対象の施設です。食事や健康管理は提供されますが、基本的に介護サービスはありません。ただし、自治体によっては要介護者が介護保険サービスを利用しながら生活できる場合があるため、具体的な入居条件は居住地の市区町村窓口で確認してください。

特に経済的に困窮している高齢者向け施設であり、一般的な介護施設とは目的が異なります。目的は高齢者が自立した生活を送り、社会復帰できるように支援することです。

養護老人ホームの費用基準は前年度の収入に応じて以下のように決まります。

【養護老人ホームの費用基準】

収入(税金、社会保険料、医療費控除後) 費用徴収基準月額
0~270,000円 0円
500,001~520,000円 19,100円
1,000,001~1,040,000円 51,800円
1,500,001円以上 150万円超過額×0.9÷12月+81,100円(100円未満切捨て)

出典:厚生労働省「老人保護措置費の国庫負担について」

介護サービスがないため、費用に計上されるのは施設利用料のみで、入所一時金も必要ありません。状況によっては生活保護の適用や、災害の影響を鑑みて費用が減額または免除される場合もあります。

まとめ

グループホームの費用が払えなくなった場合、まずは身元引受人や連帯保証人に支払いの請求が行われ、支払いが難しい場合は一定期間後に強制退去になります。まずはグループホームのスタッフやケアマネジャーに相談した上で、公的な補助やマイホーム借り上げ制度、不動産担保貸付などを利用するとよいでしょう。

また、より必要な月額費用が少ないほかのグループホームや老人ホームに転居するのもおすすめです。

老人ホームを探す際には、ネオケア神戸老人ホーム紹介センターにご相談ください。面談を行い、ご希望やご要望内容にぴったりの老人ホーム・介護施設をご提案いたします。

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