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認知症グループホームを追い出される理由は?事例と対処法を解説

認知症グループホームを追い出される理由は?事例と対処法を解説

認知症グループホームを追い出されることがあると聞き、本当に追い出されてしまうのか気になっている方もいるでしょう。認知症グループホームを追い出される理由は、大きく分けて8つあります。たとえば、迷惑行為や、体調の悪化、介護度の変化などが主な理由です。

この記事では、認知症グループホームとはどのような施設なのか、施設を追い出される場合の理由と、追い出されることになった場合の対処法などについて詳しく解説します。

1. 認知症の人が入居するグループホームとは?

認知症グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは、急性ではない認知症の高齢者の方に対して、共同生活の中で専門的なケアを提供するサービスのことです。入居者が日常生活の支援を受けつつ、可能な限り自立した生活を送れるようにするためのサービスです。認知症グループホームには、それぞれの居住空間に加え、共有のリビングや食堂などがあります。家庭的な雰囲気の中で、一人ひとりに合わせたサポートを実施し、社会的孤立を防ぐとともに、認知症の症状の進行を緩和することも期待されています。

基本的には5人から9人を1つのユニットとし、日中は入居者3人に対して1人、夜間は1ユニットに対して1人の介護従事者が、24時間共同生活を送りながらサポートします。

出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」

出典:厚生労働省「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」

1-1. グループホームの入居条件

認知症グループホームに入居するためには、主に4つの条件があります。

・65歳以上である

基本的に、認知症グループホームは介護保険法に基づいたサービスを提供する施設であるため、65歳以上の方を対象としています。ただし、40歳以上64歳以下の方でも、特定疾病を患い要介護認定を受けた場合は対象となる場合があります。

・要支援2以上であること

要介護1〜5、要支援2に該当する場合は、認知症グループホームへの入居が可能です。要支援1の場合は共同生活でのサポートが必要なく、日常生活における基本行動は自力で行えるという認定のため、認知症グループホームへの入居は原則できません。

・認知症である

認知症グループホームは、施設の特性上、認知症を発症している方に限定されます。そのため医師より、「認知症である診断」を受ける必要があります。また、認知症の中でも、急性の場合は入居対象外となる場合が多い傾向です。

・認知症グループホームと同じ市町村に住民票がある

地域密着型サービスのため、認知症グループホームと同一市町村に住民票がなければなりません。

出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」

1-2. グループホームの特徴

認知症グループホームでは、5名以上9名以下の「ユニット」と呼ばれる単位で毎日生活を行います。認知症の高齢者は、新しい人やものを覚えることが難しく、出会う人が毎日変化する環境だと不安になってしまうため、ユニットで毎日同じメンバーと過ごします。今まで住み慣れた地域であれば、より落ち着いて安心した生活を過ごせるでしょう。

また、スタッフはあくまでサポートに徹しており、基本的な日常生活は自分たちで行えるように、ユニット全員でコミュニケーションをとりながら活動します。認知症予防に適したレクリエーションを実施したり、地域活動に参加したりなど、社会に取り残されることなく生活していけるようなサポートを行う施設です。

2. 認知症グループホームを追い出されることはある?

一般的に認知症グループホームでは、退去要件が定められています。そのため、万が一入居者が退去要件に該当してしまった場合、施設側から退去するよう伝えられます。

退去要件は施設ごとに異なりますが、重要事項説明書や入居契約書などの書面に必ず明記されていますので、確認しましょう。法律の説明や堅苦しい言葉が使用されていて、難しく感じる場合もありますが、そのまま読まずにサインをしてしまうと、後にトラブルに発展してしまう恐れがあります。疑問点は施設のスタッフに必ず確認し、内容を理解しておきましょう。

3. 認知症グループホームを追い出される理由

認知症グループホームからの退去理由には、迷惑行為、医療処置の必要性、自傷行為、長期入院、虚偽申告、料金支払いの滞納、介護度の改善などが挙げられます。以下では、各理由について詳しく紹介します。

3-1. 迷惑行為を行ったため

認知症に伴う症状から、迷惑行為を行ってしまうケースがあります。

  • 不意に怒りを爆発させる
  • 介助者やほかの入居者に対して暴言を吐く
  • 物を投げる
  • 暴力をふるう
  • 性的嫌がらせをする
  • 特定の異性にのみ、嫌がらせをする

これらの行為は、不安や混乱、精神的な苦痛などが原因であることが多く、退去を招く要因となります。

過去には身体拘束で対応していたケースもありましたが、現在はそのような手段は取られません。その代わりに退去を求めるケースが多くなっています。

3-2. 共同生活が難しくなったため

認知症グループホームは、認知症の方々が共同生活を送りながら、本来の自分らしい生活を継続できるよう支援する施設です。食事の準備や掃除、洗濯など日常の生活行為を入居者とスタッフが一緒に行い、認知症症状の安定と生活の質の向上を目指します。

しかし、認知症の進行や個々の状況によっては、共同生活を送ることが難しくなる場合があります。たとえば、ほかの入居者への影響が大きい行動や、スタッフのサポートだけでは対応できないような医療的ニーズが生じた場合は、共同生活が維持できなくなります。このような状況では、認知症グループホームからの退去を求められるかもしれません。

3-3. 医療処置が必要になったため

入居者が高度な医療行為を必要とするような状態になった場合、認知症グループホームでは対応ができません。このような状況では、入居者は認知症グループホームから退去し、より専門的な医療施設への移動が求められる可能性があります。

認知症グループホームでは、医師や看護師が常駐していないため、基本的に高度な医療処置は提供できません。介護職員は限られた医療的ケア、たとえば血圧測定、軽い傷の処置、服薬管理などは行えますが、それ以上の医療行為は法的に制限されています。(ただし、介護職員が特定の研修を受け、認定を受けた場合、喀痰吸引や経管栄養など特定の医療行為を行うことは可能です。)

近年では、看取りまで対応する認知症グループホームも増えていますが、対応しているかどうかはその施設の介護・医療体制によって異なります。看護師が常勤している施設や協力医療機関と連携している施設では、幅広い医療ケアや看取りができることもあります。

3-4. 自傷行為が頻発するため

認知症グループホームにおいて、入居者が自傷行為を頻繁に行う場合、退去の理由となることがあります。自傷行為は、本人にとってのみならず、ほかの入居者やスタッフにとっても重大なリスクを伴います。

自傷行為が続く場合、より専門的な医療ケアを提供する施設への移動が必要です。

3-5. 長期入院することになったため

認知症グループホームの入居者が長期間(例:3か月以上)入院する場合、退去となるケースがあります。そもそも、入居者や家族は、入院にかかる医療費と老人ホームの費用の二重負担を抱える可能性があります。経済的な負担を軽減するためにも、退去を検討する必要があるでしょう。

入院が短期間であれば、退去には至らないこともあります。しかし、入院期間が長期にわたるか、認知症グループホームの医療体制では対応できない病状の場合は、退去を勧められるケースが多いです。認知症グループホーム側が一方的に退去を強制するわけではないので、入居者や家族・スタッフとの十分な話し合いを通じて、本人にとって最良の選択を行いましょう。

3-6. 虚偽申告をしていたため

認知症グループホームへの入居の条件として、専門医から認知症の診断を受けること・要介護認定で要支援2以上の認定を受けていることなどが挙げられます。入居希望者が、自身の認知症の進行具合や持病について虚偽の申告をしていた場合、不正入居と判断される可能性があります。

施設側は、入居者全員に適切なケアを提供するために、正確な情報に基づいたサービスを行わなければなりません。虚偽の申告は、施設の運営やほかの入居者の安全とケアに影響を及ぼすため、厳しく取り扱われます。

3-7. 料金の支払いが滞ったため

認知症グループホームの料金の支払いが滞った場合、すぐに退去させられるわけではありませんが、滞納が続くと認知症グループホームからの退去を余儀なくされる可能性があります。

多くの施設では、本人が支払い困難になった際、入居時に登録された身元引受人や連帯保証人に支払いが求められます。身元引受人が支払いを行えば問題はありませんが、支払い不能な場合は施設から一定の猶予期間が与えられ、もし期間がすぎても支払いがされなければ、契約解除・強制退去の可能性があります。猶予期間は通常3〜6か月程度ですが、施設によっては1〜2か月の場合もあるため、早めの支払いが必要です。

3-8. 要介護度が改善したため

認知症グループホームは、基本的に要支援2以上の認知症の方が対象です。入居者の介護度が改善して、認定調査の結果で「要支援1」以下になると、施設の退去を勧められるケースがあります。認知症グループホームでの安定した生活が入居者の精神状態に良い影響を与え、認知症の症状が軽減されることも人によってはあるでしょう。

反対に、認知症グループホームは生活援助を主な目的としているため、重度の介護が必要となった場合、施設の提供サービスと合わなくなるため、退去を求められることもあります。

4. 認知症グループホームから退去連絡を受けたらどうすればいい?

認知症グループホームから退去連絡を受け、追い出されてしまうことになった場合、どのように対応すれば良いのか悩まれる方もいるでしょう。ここでは、大きく4つのポイントに分けて対応方法について解説します。

4-1. 退去について施設に確認する

退去通告がされた際に、認知症グループホームに確認しておくべきポイントは、以下の4点です。

・退去勧告の理由

追い出される理由が退去要件に該当しているのか、正当な理由なのかを確認しましょう。もし、退去勧告の理由が不当であり受け入れられない場合、まず入居契約書に明記されている相談窓口に連絡を行います。それでも解決や納得ができない場合は、自治体の高齢者相談窓口や都道府県の国民健康保険団体連合会、運営適正委員会など公的な相談窓口に相談してみましょう。

・退去までの期間

いつまでに退去しなければならないのか、期日を確認しましょう。一般的に認知症グループホームでは、退去勧告を行ってから90日間の予告期間が設けられているため、退去勧告を受けてすぐに出ていく必要はありません。しかし期間は決まっているので、退去までの期間が確認でき次第、すぐに次の入居先を探し、転居するまでの予定を立てる必要があります。

・返金される金額

認知症グループホームでの入居一時金は、退去の際の清掃費や修繕費などで精算され、施設のルールに則って償却されます。施設での入居一時金は、賃貸物件での敷金や保証金と同様です。そのため、施設設定した償却期間より短い期間で退去する場合、一時金の一部は戻ってくる場合があります。返却期限や返金額の計算方法などは契約書に明記されているため、トラブル回避のためにも事前に確認しておきましょう。

・居室の原状回復

経年劣化による汚れなどは、基本的に施設側が負担します。しかし、入居者側の過失や不注意などで発生した大きな傷や汚れは、本人側が費用を負担して修繕・修復する必要があります。原状回復の目安については、多くの施設がトラブル回避のために、国土交通省が定めている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に従って対応しているケースが多いです。

4-2. 医療機関を受診する

医療機関を早めに受診し、健康状態の確認と今後のケアプランの調整を行いましょう。認知症の進行は個人差があり、専門医による評価が適宜必要です。医療機関で認知症の症状の変化や身体的問題、精神状態の確認を行うことで、退去後の生活環境や必要なサポートのレベルを適切に判断し、安全な生活を送るための準備を整えられます。

事前に医療機関に相談すれば、退去後に利用する施設も見つけやすくなるでしょう。

4-3. 地域包括支援センターに相談する

退去後の生活に悩んでいる場合は、地域包括支援センターに相談するのもおすすめです。地域包括支援センターは、市区町村が主体となっているセンターで、個々の状況に応じた介護・福祉・保健に関する適切なアドバイスや支援を提供しています。具体的には、介護サービスの手配や在宅ケアの計画、家族への相談支援、地域の福祉情報の提供など、多岐にわたります。

地域包括支援センターは、高齢者の方の安全と快適な日常生活を維持することが目的です。退去後の生活をスムーズに移行するための橋渡し役として、退去する本人とご家族を支えてくれるでしょう。

出典:神戸市「あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)」

4-4. 次の介護施設を探す

健康診断などを受け、体調に問題がなければ、別の施設を探しはじめましょう。地域包括支援センターへ相談したり、インターネットで地域の介護施設の情報を集めたりするなど、次に入居する施設を探します。気になる施設があった場合は、本人と家族で一緒に見学に行き、実際の施設の状況や雰囲気を知ってから決めることが大切です。

認知症の進行や身体状況の変化によっては、認知症グループホームより、専門的なケアや医療サポートが必要となる場合があります。このような場合、特別養護老人ホームや介護医療院などの施設を利用することも検討すべきでしょう。

特別養護老人ホーム

原則、65歳以上かつ要介護3以上の方が入所できる施設です。介護老人福祉施設が正式名称です。介護が常に必要な方が対象であり、入浴・食事などの日常生活における支援や、機能訓練、療養上の世話などを行います。多くの特別養護老人ホームが看取りにも対応しています。

介護医療院

長期にわたって療養が必要な方の入居を受け入れる施設です。日常生活に必要なサービス・医療や、療養上の管理・看護・介護・機能訓練などが提供されます。2018年に追加された、新しい介護保険施設の1つで、【「日常的な医学管理」や「看取りやターミナルケア」などの医療機能】と、【「生活施設」としての機能】を併せ持っているのが特徴です。

出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」

出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム「介護医療院」

まとめ

認知症グループホームを追い出される理由としては、迷惑行為を行った・共同生活が難しくなった・医療処置が必要になったなどの理由が挙げられます。ご家族の方は、入居する施設の退去要件を事前にある程度理解しておくのが好ましいです。

もし認知症グループホームから退去連絡を受け、その理由に納得できない場合は、まずは施設に確認しましょう。必要に応じて、地域包括支援センターや、国民健康保険団体連合会などでも相談が可能です。

新しい施設を探す際は、認知症の方の安心と快適な生活を維持できるか、家族の介護負担の軽減もできるか、といった観点も踏まえて選ぶようにしましょう。

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