1. 神戸市の老人ホームならネオケア
  2. お役立ちコラム
  3. ケアハウスとグループホームの違いを解説|自分に向いた施設の選び方

ケアハウスとグループホームの違いを解説|自分に向いた施設の選び方

ケアハウスとグループホームの違いを解説|自分に向いた施設の選び方

ケアハウスとグループホームは、どちらも高齢者向きの介護施設です。ケアハウスは自宅での生活が困難な高齢者をターゲットに、低価格で生活支援や介護サービスを提供します。グループホームは認知症を抱えた方をターゲットとする、認知症ケアに特化した施設です。それぞれの施設はターゲットに合わせて、入居条件やサービス内容、費用などが異なっています。

この記事ではケアハウスとグループホームの違いを、特徴・入居条件・サービス・費用から解説します。それぞれのメリット・デメリットや、自分に向いた施設の選び方も掲載しているため、施設選びで迷っている方はぜひご覧ください。

1. ケアハウスとグループホームの特徴とは

ケアハウスとグループホームは、どちらも高齢の方に向けて住まいを提供する施設・居住系の介護サービスです。一方で、それぞれには違った特徴があるため、自分の健康状態や希望する過ごし方により向いている施設を選びましょう。

以下の厚生労働省の資料を出典として、ケアハウスとグループホームそれぞれの特徴について解説します。

出典:厚生労働省「居宅系施設等との連携」

1-1. ケアハウスの特徴

ケアハウスとは、自宅での生活が困難な高齢者向けの公的施設です。社会福祉法人や地方自治体、民間事業者などによって運営される福祉施設であり、低価格で食事や洗濯などの介護サービスが受けられます。

【ケアハウスの特徴】

  • 軽費老人ホーム(低所得高齢者のための住まい)の一種である
  • 原則として個室で生活できる
  • 生活の自由度が高い
  • 入居条件は厳しくない

出典:公益財団法人長寿科学振興財団「ケアハウスとは」

ケアハウスには2つの種類があり、それぞれ入居条件や受けられるサービスが異なります。

【ケアハウスの種類】

  • 一般型(自立型)
    自立した生活に不安のある60歳以上の方に向けた施設。食事や掃除・洗濯といった生活支援や緊急時の対応などのサービスが受けられる。
  • 介護型
    65歳以上で、要介護度1以上の方を対象とした施設。生活援助サービスに加えて、入浴、排泄、機能訓練、療養上のお世話など必要に応じた介護ケアが受けられる。

どちらの施設でも、職員による見守りや個々の能力に応じたサポートがあるため、安心感を持って生活できるでしょう。

神戸でケアハウス(軽費老人ホーム)を探しているなら神戸老人ホーム相談センターがおすすめ

1-2. グループホームの特徴

グループホームは、「認知症対応型共同生活介護」とも呼ばれる、認知症ケアに特化した共同生活施設です。リハビリや自立を目的とし、住み慣れた地域の中で「ユニット」と呼ばれる少人数のグループによる活動を行います。

【グループホームの特徴】

  • 認知症の方にとって生活しやすい環境作りに特化している
  • 住み慣れた地域で共同生活を行える
  • 本人の有する能力に応じて自立を目的とした生活サポートを受けられる

出典:公益社団法人日本認知症グループホーム協会「グループホームとは?」

グループホームでは、調理・配膳・掃除・洗濯などの日常生活を、他の利用者やスタッフと共同で行います。手先を動かし人とコミュニケーションを図ることで、認知症状を穏やかにして心身の健康を保ち、自立した生活を行える点が特徴です。

運営母体は民間企業・社会福祉法人・医療法人・NPO法人などさまざまです。

神戸でグループホームを探しているなら神戸老人ホーム相談センターがおすすめ

2. ケアハウスとグループホームの入居条件の違い

ケアハウスとグループホームは、それぞれ違った方をターゲットとしてケアを行っているため、入居条件が異なります。

入居条件を知り、それぞれの施設に対する理解を深めましょう。

2-1. ケアハウスの入居条件

ケアハウスの入居条件は、種類によって異なります。

一般型ケアハウスの入居条件
  • 60歳以上である(夫婦で入居する場合には、どちらかが60歳以上であれば可)
  • 自炊ができない程度の身体機能の低下等が認められる
  • 家族による援助を受けることが困難である

出典:厚生労働省「養護老人ホーム、軽費老人ホーム」

介護型ケアハウスの入居条件
  • 原則として65歳以上である
  • 要支援・要介護の認定を受けている
  • 包括的な介護サービス(特定施設入居者生活介護)が必要と判断される

出典:厚生労働省「養護⽼⼈ホーム・軽費⽼⼈ホームについて」

一般型のケアハウスは、介護施設ではなく生活サポートの付いた居住施設です。自立した生活が送れることが入居条件となり、手厚いサポートや介助を必要とする方は入所できません。

一方で介護型のケアハウスは、要支援・要介護の高齢者を対象としています。自立した生活が送れる必要はなく、介護・医療ケアを必要とする方を幅広く受け入れています。

2-2. グループホームの入居条件

グループホームの入居条件は、以下の5つです。

グループホームの入居条件
  • 65歳以上である
  • 医師により認知症と診断されている
  • 要支援2以上、あるいは要介護認定を受けている
  • グループホームと同じ市町村に住民票がある
  • 集団生活に支障がない

グループホームに入居可能なのは、医師から認知症と認定されており、要支援2以上か要介護認定を受けた方です。自立して生活することを目的とした施設のため、重度の認知症を抱えている方や要介護度の高い方など、自立困難な方は入居を断られるケースがあります。

また、市区町村が指定・監督している地域密着型サービスの一種であり、居住地域以外の施設への入居はできません。

他の入居者と分担・協力しあって生活をする必要があるため、集団生活に支障がないことも入居条件の1つです。病状の悪化による暴力・暴言が激しい方や、他人とのコミュニケーションが困難な方などは入居できません。

3. ケアハウスとグループホームのサービスの違い

ケアハウスとグループホームは施設の目的やターゲットとしている方が異なり、利用者に合わせたサービスを提供しています。また、人員配置基準や対応可能な介護・医療サービスの範囲も違います。

3-1. ケアハウスの主なサービス

ケアハウスの主なサービスは、種類によって異なります。

一般型ケアハウス 介護型ケアハウス
食事
3食提供される

3食の提供に加えて必要に応じた介助がある
洗濯、掃除
原則自分で行う(外部委託可)

施設職員が行う
入浴、排泄 ×
原則自分で行う

必要に応じた介護ケアを受けられる
その他 ・日々のバイタルチェック
・服薬管理
・レクリエーション
・緊急時対応
・日々のバイタルチェック
・服薬管理
・機能訓練(リハビリ、レクリエーション)
・療養上のお世話
・緊急時対応

また、人員配置については以下のように定められています。

一般型ケアハウス 介護型ケアハウス
介護職員 利用者30人まで:1人
30人~80人以下:2人
80人を超える場合:2人以上
要支援者10人に対して1人
もしくは
要介護者3人に対して1人
看護職員 配置義務なし要介護者30人までは1人
(以降は50人ごとに1人)
ただし夜間は1人以上
計画作成担当 配置義務なし利用者100人ごとに1人
機能訓練指導員 配置義務なし1人以上
栄養士 利用者40人まで:配置義務なし
利用者40人以上:1人以上
ただし他の社会福祉施設等の栄養士との連携ができている場合は配置義務なし
調理員 実情に応じた人数(外部委託可能)

出典:厚生労働省「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準(◆平成20年05月09日厚生労働省令第107号)」

一般型のケアハウスでは、食事の提供や見守りサービスなどが受けられます。介護・医療ケアには対応していないため、入浴や排泄などを自力で行える、比較的元気な高齢者向けの施設です。

一方で介護型のケアハウスでは、一般型と比べて介護・医療のサポート体制が整っています。それに伴い人員も手厚く配置されており、幅広いケアに対応できる職員が揃えられています。

3-2. グループホームの主なサービス

グループホームでは、入居者の能力に応じた介護・生活支援のサービスが受けられます。基本的に家事を分担で行う共同生活の場であるため、一般的な高齢者向け施設と比べて、自立を前提としたサービスを提供しています。

サービス内容
食事
買い出し・調理・配膳は分担制(スタッフによる介助有)
洗濯、掃除
分担制(スタッフによる介助有)
入浴、排泄
必要に応じて介助
その他 ・日々のバイタルチェック
・服薬管理
・食事介助
・通院介助
・機能訓練(リハビリ、レクリエーション)

グループホームは認知症の進行を和らげるためのリハビリを目的とした施設であり、スタッフによるケアは必要最低限の介助にとどまります。また、看護師や医師の在籍も必須ではないため、医療ケアには原則的に対応していない施設も存在します。

グループホームの人員配置基準は以下です。

職員の種類 人員配置基準
介護職員日中:利用者3人に対して1人以上
夜間:ユニットごとに1人
計画作成担当ユニットごとに1人
管理者ユニットごとに1人

出典:厚生労働省「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」

日中の介護職員の数は利用者全体との比率で決まり、計画政策担当・管理者・夜間の介護職員はユニットごとに1人以上の配置が必要です。

4. ケアハウスとグループホームの費用の違い

ケアハウスとグループホームは、ターゲットやサービスに違いがあるため、必要な費用も異なります。毎月かかる費用の詳しい内訳や、入居時に必要となる費用について解説します。

4-1. ケアハウスに必要な費用

ケアハウスの利用には、以下の費用がかかります。

入居費
入居時に払うまとまったお金のことで、初期費用とも呼ばれます。賃貸契約の敷金のように扱われ、退去時は必要経費(個人スペースの修繕や清掃費)を除いて余った部分は、返還金として戻ってきます。
日常生活費
家賃、食費、光熱費、管理費、共益費といった、毎月必ずかかってくる日常生活に対する費用です。施設の立地条件や規模・設備により金額に大きな差が生まれます。
【介護型のみ】介護保険負担額
介護サービス費とも呼ばれ、介護スタッフによるサポートに対する費用です。要介護の認定度合いが高いほど、負担額も高くなります。
【介護型のみ】サービス加算
介護保険負担額とは別に、看取り対応や個別機能訓練など手厚いケアを受けた時に発生する費用です。受けたサービスに応じて加算されます。

それぞれの費用相場は、ケアハウスの種類により異なります。サポート体制が充実している介護型のほうが、一般的には高めに設定されています。

費用の相場
一般型 介護型
入居費 0~30万円数十~数百万円
月額 6~12万円9~15万円
月額費用の内訳 ・日常生活費・日常生活費
・介護保険負担額:1~2万円※
・サービス加算:数千円※
(※1割負担の場合)

出典:厚生労働省「どんなサービスがあるの? – 特定施設入居者生活介護」

介護型の場合、介護保険負担額やサービス加算の自己負担金額は、利用者の所得により調整されます。一般型に入居した場合でも、必要に応じて外部の介護サービスなどを利用した場合には追加で費用が発生します。

また、上記には衣料品や嗜好品・おむつなどの消耗品の購入費用は含まれません。追加で、月に2万円程度の費用を見ておくとよいでしょう。

4-2. グループホームに必要な費用

グループホームの利用には、以下の費用がかかります。

初期費用
費用相場 0~約33万円
入居時の初期費用として、「入居一時金」を支払う必要があります。入居一時金はグループホームなどの有料老人ホーム特有のシステムであり、老人ホームに一定期間入居する権利を買うための費用です。年数に合わせて償却されていき、一定年数未満で退居する場合は、利用年数に応じて費用が返ってきます。入居一時金には決まった費用がないものの、一般的に入居一時金がない施設は家賃や管理費などが高めに設定されることが多いです。
日常生活費
費用相場 約12万~16万円/月
家賃、食費、光熱費、管理費、共益費といった、毎月必ずかかってくる日常生活に対する費用です。施設の立地条件や規模・設備により金額に差が生まれます。
介護保険負担額
費用相場 約2万~3万円/月(1割負担の場合)
介護サービス費とも呼ばれ、介護スタッフによるサポートに対する費用です。要介護の認定度合いが高いほど、負担額も高くなります。

出典:厚生労働省「どんなサービスがあるの? – 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」

サービス加算
費用相場 数千円程度/月(1割負担の場合)
介護保険負担額とは別に、看取り対応や手厚い介護を受けた時に発生する費用です。全員が支払うものではなく、受けたサービスに応じて加算されます。

また、これらの費用にくわえて、衣類・嗜好品・消耗品の購入費用として月2万円程度が必要になります。

5. ケアハウスとグループホームそれぞれのメリット・デメリット

ケアハウスとグループホームにはさまざまな違いがあり、居住する上でのメリット・デメリットがあります。入居後に後悔しないよう、それぞれの良い点だけでなく注意するべき点にも目を向けて検討を進めましょう。

5-1. ケアハウスのメリット

ケアハウスのメリットは、下記の3点です。

  • 必要な費用が安い
  • 一般型の場合生活の自由度が高い
  • 介護型の場合要介護度が高まっても入居し続けられる

ケアハウスは、自宅での生活が困難な低所得高齢者を対象とした公的施設であり、他の高齢者向け施設と比べて安価で利用できるのが最大のメリットです。

一般型のケアハウスでは、行動の制限がないことがほとんどで、日々の外出や旅行など自由度の高い生活が可能です。また、居室は原則として個室で、プライベートな時間を確保しやすいでしょう。

介護型のケアハウスでは、施設内で介護サービスを受けられます。高度な医療ケアを必要としない限りは要介護度が高まっても利用を継続でき、転居や環境の変化による精神的・肉体的な負担の心配がありません。

5-2. ケアハウスのデメリット

ケアハウスのデメリットは、下記の2点です。

  • 入居の順番待ちが長い
  • 一般型の場合は要介護度が上がると退居が必要になる場合がある

ケアハウスは、入居希望者に対して施設数が限られており、入居待ちの待機者が多数います。低価格で利用できることから人気も高く、希望してもすぐに入居できないことも多いため注意が必要です。

また、一般型ケアハウスの場合には介護や医療のケアサービスはないため、包括的な介護が必要となった場合には退去や転居が必要となります。要介護度が上がってからの転居が心配な方は、介護型ケアハウスへの入居も検討しましょう。

5-3. グループホームのメリット

グループホームのメリットは、下記の3点です。

  • 自分が慣れ親しんだ地域で過ごせる
  • 認知症に特化したケアを受けられる
  • 少人数で落ち着いた生活ができる

グループホームは住み慣れた環境で少人数での生活が行えるため、認知症を抱えている方でも環境を大きく変えず、落ち着いた生活ができます。

また、認知症のケアに特化した施設であり、専門的な知識や経験が豊富なスタッフから一人ひとりに寄り添ったケアが受けられます。

5-4. グループホームのデメリット

グループホームのデメリットは、下記の2点です。

  • ケアハウスと比較すると費用が高い
  • 集団生活が難しい方は別施設へ移る必要がある

グループホームは、市区町村が指定・監督している地域密着型サービスの一種であるものの、低所得者に向けた公的施設ではありません。サービス内容によっては必要な費用が大きくなるケースもあるため、少ない予算でより良いサービスを受けたい場合は注意が必要です。また、病状や健康状態によっては別施設への転居や退去を求められる可能性もあります。

6. こんな方にはケアハウスがおすすめ

ケアハウスの特徴を踏まえると、入居に適しているのは以下のような方です。

一般型 介護型
・介護は必要ないものの、1人で暮らすのは不安だと感じている方
・施設に入居しても自由度の高い生活を送りたい方
・長期的に安心して暮らせる施設を探している方
・経済的な理由で施設の利用を悩んでいる方
・1人の時間を大切にしたい方

一般型のケアハウスは、単身での生活に不安を感じている高齢者の方に向いている施設です。また、生活のサポートを受けながらも自由度が高くプライバシーの守られた生活が可能なため、1日のスケジュールが決められてしまう生活が苦手な方に向いています。

介護型のケアハウスは、要介護度が高く、看取りを含めて長期的な介護を行ってくれる施設を探している高齢者の方に向いています。

また、一般型・介護型ともに、所得に応じた適切な料金で施設を利用できるため、身寄りがない方や経済的に苦しい方でも入居しやすい施設です。どちらも個室での生活が行えるため、1人の時間を大切にしたい方に合った場所です。

7. こんな方にはグループホームがおすすめ

グループホームの特徴を踏まえると、入居に適しているのは以下のような方です。

  • 認知症により身の回りの世話や見守りを必要とする方
  • 他の利用者と交流しながらアットホームな雰囲気の中で生活したい方
  • できることは積極的に自分でやりたい方

グループホームでは、他の利用者やスタッフと協力しあって共同生活を送ります。そのため、他人とコミュニケーションを図り仲良く関わっていくことを得意とする方が向いています。

また、自分のことは自分でやりたいと思え、前向きに生活できる方におすすめの施設です。

まとめ

ケアハウスは軽費老人ホームの一種であり、低価格で食事や洗濯などの介護サービスが受けられる施設です。一般型と介護型の2種類が存在し、それぞれ入居条件や受けられるサービスが異なります。個室で生活を行えるため、1人の時間を大切にしたい方に向いています。

グループホームは認知症を抱えている方をターゲットとした、自立した生活と認知症ケアを支援する施設です。認知症の方にとって生活しやすい環境で共同生活を行えるメリットがあります。

兵庫県で老人ホームを探す際には、神戸老人ホーム紹介センターにご相談ください。老人ホーム・介護施設選びの専門家が、無料で相談に対応し、ご希望に合わせて最適な施設を紹介します。

相談〜入居の流れ | 神戸老人ホーム紹介センター

  1. 神戸市の老人ホームならネオケア
  2. お役立ちコラム
  3. 認知症グループホームを追い出される理由は?事例と対処法を解説