2025年の福祉・介護事業の倒産件数「176件」 東京商工リサーチ
東京商工リサーチが2026年1月9日に公表した「2025年『老人福祉・介護事業』倒産動向」によると、2025年の介護事業者の倒産件数は176件となり、2年連続で過去最多を更新しました。前年比では2.3%増、コロナ禍前の2019年の111件と比べると約6割増加しています。倒産原因では売上不振が140件と全体の約8割を占めており、利用者獲得競争や人手不足による利用率の低下が経営を圧迫している状況です。また、「人手不足」関連の倒産も29件と最多を更新しており、介護人材の確保が事業継続に大きく影響していることが分かります。
出典:東京商工リサーチ「2025年「介護事業者」倒産 過去最多の176件 「訪問介護」の倒産が突出、認知症GHも増加」
訪問介護の倒産が突出している
2025年の介護事業者の倒産では、訪問介護の倒産が91件と突出しています。訪問介護は、介護報酬のマイナス改定に加え、ヘルパー不足やガソリン代などの運営コスト上昇の影響を受けやすい事業です。人材を確保できなければ利用者の受け入れにも限界が生じるため、売上の維持が難しくなります。特に小規模な事業者では、人件費や物価上昇を吸収しきれず、資金繰りが悪化しやすい状況です。
小規模な介護事業者ほど経営環境が厳しい
倒産した介護事業者の多くは、小規模な事業者です。2025年の倒産では、資本金500万円未満が128件、負債1億円未満が141件、従業員10人未満が142件を占めました。介護業界では人手不足や物価高が続く一方で、賃上げや業務効率化への対応が求められています。しかし、小規模事業者ほど人材確保や設備投資に回せる余力が限られます。今後も、運営コストの上昇や人員不足に対応できない事業者では、経営悪化が続く可能性があります。
