脚気(かっけ)の症状
脚気は、手先や足先が麻痺したり下肢の浮腫などの症状が典型で、病状が進行してしまうと最も重症のケースでは呼吸困難に至る心不全なども起こす可能性があります。日本では戦前、多くみられた病気で「亡国病」と呼ばれ恐れられ、また、江戸時代には「江戸患い」と呼ばれていました。多かった頃には、年間で2万5千人もの人が脚気が原因で亡くなっていました。長い間、原因も分からず病原菌説、中毒説などの他に白米食説も唱えられていましたが、その後、栄養学が進んで脚気の原因はビタミンB1の欠乏症であることが分かりました。原因がビタミンB1の欠乏と分かってからは、発生は減少して今ではほとんどみられることはありません。しかし、現在でも食生活の悪い偏った食事をしている若い人の中には脚気、あるいは脚気の予備群の人たちが存在しているといわれています。身体がだるい、疲れやすい、そのような症状がある人は、ビタミンB1の摂取不足かもしれません。ビタミンB1は、胚芽精米や玄米、豚肉、ウナギ、大豆、えんどう豆などに多く含まれているので、意識して摂るようにしましょう。