真正細菌のひとつである結核菌
結核菌は、感染した人が咳をすることによって外気や内気の中に投げ出され、空中にフワフワ動いているのを違う人が呼吸しながら吸い込むことによって拡がっていきます。成人の結核は感染を受けてから1年以上、長い場合には何十年も経ってから、菌が人の「弱み」に乗じて暴れ出した結果起こる病気です。 結核菌は肺に巣食うことが多いのですが、 人体のいろいろな臓器にも病気を起こします。初期の炎症が進むと、やがて化膿に似た組織が死んで腐ったような状態になり ます。この状態の時期が肺結核ではかなり長く続いて、レントゲンなどに写る影の大半がこの状態の病巣です。その後死んだ組織がとけて、気管支を通して肺の外に排出 されると、そこは穴のあいた状態になります。これが「空洞」です。空洞の中は空気も十分にあり、 また肺からの栄養もあるので結核菌とっては絶好のすみかとなり菌はどんどん増殖します。やがて、結核は肺全体から全身に広がって行き、そして最後には肺の組織が破壊されて呼吸が困難になるとか、 他の臓器の機能が冒されるとかして生命の危機を招くことになります。